新しいGoogleアナリティクス(GA4)の特徴の概要
2020年10月に新しいGoogleアナリティクス(GA4)がリリースされました。
特徴を簡潔にいうと、ユーザーのページ内での行動が計測しやすくなったという点です。
旧GAのユニバーサルアナリティクス(UA)では、ページへどれだけのアクセスがあったのか、どこからアクセスがあったのか、どれだけ滞在したかを把握する計測でした。
GA4では、ユーザーがページを全部読んだのか、資料をダウンロードしたのか、登録・申請ボタンを押したのかといったページ内での行動を把握する計測(イベント計測)に変わりました。
ユーザーのページ内での行動が把握できれば、ユーザーがページに満足しているのか、どの部分に不満を持っているのかを解析することが可能になります。
以下では、新しいGoogleアナリティクス(GA4)の5つの特徴[イベント計測方式][クロスデバイス計測][BigQueryとの連携が無料でできる][データ保存期間が最長14ヵ月][UAのデータを引き継げない]を詳しく説明します。
GA4はイベント計測方式
旧GAのユニバーサルアナリティクス(UA)では、セッション計測方式が採用されていました。
セッション計測方式とは、ページへのアクセスを元にして計測し解析する方法です。
例えば、ユーザーが最初のページAにアクセスし、次にページBにアクセスしたとします。
アクセスした時間の差が3分の場合、ユーザーはページAに3分間滞在したというふうに計測します。
単純でわかりやすいのですが、ユーザーのページ内での行動が計測できないというデメリットがありました(独自実装すれば計測できるようになりますが、手間とコストがかかります)。
一方、新しいGoogleアナリティクス(GA4)はイベント計測方式です。
イベント計測の標準機能で「ページを読まずに直帰したのか」「ページを最後まで読んで直帰したのか」といったユーザーのページ内での行動の計測が簡単になりました。
「ページビュー数」「スクロール数」「離脱クリック」「サイト内検索」「動画エンゲージメント」「ファイルのダウンロード」といった各データを収集するか否かを、[オン・オフ]スイッチで切り替えるだけで設定できます。
クロスデバイス計測
旧GAのユニバーサルアナリティクス(UA)では、複数のデバイスからのアクセスは別ユーザーとしてカウントしていました。
新しいGoogleアナリティクス(GA4)は管理画面から簡単な設定を行うだけで、スマホやパソコン、タブレットなどの複数デバイスからのアクセスを同一ユーザーのアクセスとして捉えた計測が可能になります。
この機能は[Googleシグナル]と呼ばれています。
BigQueryとの連携が無料でできる
[BigQueryとの連携](BigQueryへのデータエクスポート機能)とは、計測した生データをGoogleのサービスで取得・操作できる機能です。
Googleアナリティクス360という大企業向けの有料GAで使用できました。
GA4では無料版で標準搭載されています。
BigQueryでは、SQLというデータを操作するためのデータベース言語が必要なので、「標準機能では対応できない」という場合に使用するかどうかを検討することになります。
>>[GA4]BigQuery Export – アナリティクス ヘルプ
データ保存期間が最長14ヵ月
Googleでは、一般データ保護規則(GDPR)に伴い、データ保持期限を設けています。
GA4では、データ保存期間が最長14ヵ月となっています。
初期設定では[2ヵ月]となっていますので[14ヵ月]に変更するのを忘れないようにしましょう。
UAのデータを引き継げない
GA4では、旧GAのユニバーサルアナリティクス(UA)のデータを引き継ぐことができません。
とはいえ、UAの計測は2023年7月1日に停止しますし、GA4を設定した時点からデータの収集が始まることを考えれば、今すぐGA4を設定する必要があります。
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出典・参考文献
- 「やりたいこと」からパッと引ける Googleアナリティクス4 設定・分析のすべてがわかる本(著者:小川卓、出版社:ソーテック社)
- Googleアナリティクス4のやさしい教科書。 手を動かしながら学ぶアクセス解析の基本と実践ポイント(著者:山野勉、出版社:エムディエヌコーポレーション)
- Googleアナリティクス(GA4) Web担当者が分析している手順の解説 用語と見方と考え方のレポート_レポートのスナップショット編(Web365)
- いちばんやさしいGoogleアナリティクス4の教本 人気講師が教える行動計測とユーザー理解の基本(著者:山浦直宏 、高田和資、藤田佳浩、出版社:インプレス)